宗教法人あれこれ

宗教法人の解散に関する境内地などの国有化


現在、日本全国には、宗旨・宗派を問わず、非常に多くの宗教法人が存在します。その数は、私たちの生活に密着している、コンビニエンスストアの数よりも多いと考えられています。
しかし、数は多くとも、実際には活動がままならない法人もあり、その数は年々増え続けているのが現状です。
そうなっていく原因は一つに限ることはできず、多くの事情が関係していると考えられますが、その中でも一番の原因は「地域の過疎化」が挙げられると考えられます。

「消滅集落」という言葉をよく聞いたり、目の当たりにすることが増えてきましたが、人がそこにいなければ、宗教法人は存在が立ち行かなくり、集落が消えてしまえば、同じように宗教法人も消えていくこととなってしまうということが多くなってしまうのです。理由はそれだけなく、ケースバイケースの多くの事情がある中で、悲しいことですが、そのようなことが「宗教法人の解散」となっていくわけです。それは、取り巻く人々からすると、非常につらいことであり、避けることができるのであれば、どうにかしてでも避けたいことでもあります。

しかし、最終的に「解散」となってしまった場合、そこで単純に解散できるということでもなく、多くの手続き、そして乗り越えるハードルがあるのも事実です。
責任役員による決議や、残余財産の処分にかかることの決定、包括宗教団体があればその団体からの承認、解散にかかる公告、所轄庁への認証手続きなど、解散自体が、関係者からするとつらいことなのに、そこには煩雑な手続きが待ち受けているのです。
法人の建物や土地の処分も必要となるため、場所によっては、活用方法が見いだせず、処分が進まない状況が生じ、解散の手続きがとん挫してしまう可能性だってあるのです。

そんな中、解散しなければならなくなってしまった、宗教法人の土地・建物を国有化する報道がありました。
上記の通り、宗教法人が解散しようとなると、多くの問題を乗り越える必要がありました。それが理由で、放置せざるを得ない宗教法人も多く、その数は年々増え続けているのが実情です。
そのような、いわゆる「不活動宗教団体」は、過去には資産隠しの隠れ蓑などに利用されたこともあり、その数が増え続けると、多くの問題を更に生じてしまうことも考えられます。そのような観点からも、国有化して国の管理下に置かれていくことは、非常に意味のあることだと考えられます。

解散せざるを得ない宗教法人が、今の日本の抱えている問題などを考えると、今後ますます増え続けていくことは容易に想像でき、それは止めようとして止められることではないかも知れません。しかし、今回のような国の働きかけをきっかけに、宗教法人の置かれている現状を通し、5年先、10年先を想像し、出来ることがあるなら積極的に動いていく、逆に削ることがないか、活動方針を改めて見直す必要はないかなど、宗教法人の「今」をしっかり見つめていくような動き、そして、将来への準備をしていくことが、宗教法人を取り巻く環境において、求められていると思いますし、行政書士として、そのようなお手伝いができればと考えております。また、私も一人の僧侶です。一緒に考えていきましょう。