遺言書あれこれ

遺言書って高齢者だけに関係するもの?若い人は関係ない?


「遺言書」と聞いて、皆さんはどのような年齢の人が作成するものと考えるでしょうか?高齢者といわれる年齢の方が作成するものなのでしょうか?年齢の若い人にはあまり関係ないものなのでしょうか?

個人的な感覚としては、遺言書を残そうと考えられる方は、高齢者といわれる年齢の方々が多いのかなと感じます。それは、やはり自分の人生の終焉を考えたときに、今自分の持っている財産などを整理して、ちゃんと自分の想いを伝えていきたい、伝わって欲しいと考える方が相対的に多いからだと思います。
勿論、自分が亡くなった後、相続でトラブルが起きないよう、自分の考えや想いを遺言書という形にすることは、とても大切なことです。

では、年齢の若い人にはまだまだ必要のないものなのでしょうか?

民法961条では「満15歳に達した者は、遺言をすることができる」と定めております。この年齢から自分の想いを遺言書という形にして残すことは可能なのです。

その中でも、若い方で、結婚をされている方は、遺言書について一度考えてみることは重要なことかも知れません。
「夫婦間に子供がいない場合」と「未成年の子供がいる」というケースで考えてみたいと思います。

 

「子供がいない場合」

夫婦間に子供がいない場合、例えば夫が亡くなったとすると、残された妻は相続人となります。そして、子供がいない場合は、夫の父母、または兄弟姉妹も相続人となります。残された妻からすると、義理の父母、義理の兄弟姉妹と、夫亡き後、相続の話をしないといけないこととなります。夫名義の預金や不動産を、妻の名義に変更しようとしても、義理の父母や兄弟姉妹の同意が必要となるなど、なかなか心の整理が整わない中で、手間のかかる手続きが生ずることは大変なことでしょうし、また、時には相続人同士で揉めてしまうということも考えられます。

この場合、夫婦間で、それぞれが配偶者に対し「すべての財産を相続させる」という内容の遺言書を用意し合うことで、そのようなリスクを予防することができると考えられます。

「未成年の子供がいる場合」

夫婦間に未成年の子供がいる場合、上記と同じように夫が亡くなったと仮定すると、相続人は残された妻とその子供となります。子供が未成年である場合、その未成年の子供はどのように相続をしていくのでしょうか。
通常、未成年者が相続人となった場合、代理人を立てる必要あるのですが、通常はその親が代理人となるケースが多いのです。しかし、今回の仮定のように、親(今回は残された妻)もその未成年の子供も、両方とも相続人となる場合、相続の話を相続人同士でしようとしても、親はその未成年の子供の代理人には、利益相反の関係となるため、通常なることはできません。
その場合は、家庭裁判所に「特別代理人」という人の選任を申し立てる必要があり、選任された特別代理人は、未成年の子供に代わり、相続の話(遺産分割協議)や手続書類の記入・捺印などを行うこととなります。遺産分割協議が調えば、特別代理人の役目は終了となります。また、特別代理人は、代理する人の、相続財産の取得の保護も役割としてあるため、一旦、残された妻にすべて財産を相続させたいと考えても、なかなかうまく行かないということも考えれます。

この場合も、夫婦間で、それぞれが配偶者に対し「すべての財産を相続させる」といった内容の遺言書を用意し合えば、特別代理人の選任は必要なく、また、未成年の子供に対する財産の管理という観点からも有意義なことと考えれるのではないでしょうか。

遺言書の種類などについては、「遺言書の種類」「いろいろな遺言書の特徴」をご参照いただければと思いますが、まずは自筆証書遺言を書いてみるということも考えてみませんか?