宗教法人あれこれ

宗教法人の規則変更について


今回は、宗教法人の規則を変更する場合の手続きについてご説明をさせていただきたいと思います。

宗教法人の関係者の皆さま、宗教法人の規則について、どのくらい意識することがありますでしょうか。また、規則を変更する必要がある場合、どのようなケースなら変更する必要があるか、思い浮かぶでしょうか。

例えば、法人の事業として、法人の土地を駐車場にしたり、総代の人数を変更したり、被包括・包括の関係にある、宗教団体との関係性の変更がある場合などが挙げられるかと思います。他にも多くのケースがありますが、最近は、宗教法人の土地の変更活用や、寂しいことですが、宗教法人を取り巻く環境の変化から、総代になる方が少なくなり、総代の人数を減らしたいなどというケースが多いのではないかと感じております。
また、総代のこととよく混同されて、勘違いされていることも多いのですが、責任役員については宗教法人法第18条1項で、3人以上必要で、また、その中の1人を代表役員とすることが定められておりますので、規則変更して人数を法定の人数を下回ることはできないことになっておりますので、その点は注意が必要です。

さて、では実際に手続きをする場合、どのような流れになるのでしょうか。
規則を変更するには、大きく分けて①「法人内部の手続き」と②「所轄庁との手続き」の2つに分けられます。

まず、①「法人内部の手続き」についてですが、当該宗教法人に包括宗教団体があるかないかで、手続きが少々変わってまいります。
法人内部の規則を変更する際、変更手続きの決定方法などは、その法人自体が、その自主性により定めることができ、その定めた方法により、変更事項の決定・承認を行うことが出来るのですが、包括宗教団体がその法人にある場合は、その決定・承認された事項について、さらに、その包括宗教団体(主に本山など)による承認が必要になります。そして、その手続きは、統一されたものではなく、宗旨、宗派で違いがありますし、手続きに必要となる時間にも違いが出てきます。
包括宗教団体がない単独の宗教法人などについては、上記の包括宗教団体による承認手続きは、当然ながら必要ありません。

ここで、ひとつ話を戻しますが、宗教法人内部の自主性により変更手続きに関することを決定するということですが、その方法はそれぞれの宗教法人で違いが出てきます。責任役員の議決だけでなく、それに加えて、総代会の議決、信者(檀信徒・門信徒など)の方々の議決(主に過半数ではなく、3分の2以上の賛成)を経て、規則変更の決定を行うなど、慎重に議論を行い、決定していくというところが多いようです。

そして、②「所轄庁との手続き」ですが、①の手続きにより承認を得るところまで進んだら、今度は所轄庁に対する認証申請手続きに入ります。

まず、所轄庁に「規則変更認証申請書」を提出します。これには「変更をしようとする事項を示す書類」、「規則の変更の決定について規則で定める手続を経たことを証する書類」(主に責任役員会議事録や総代会、信者の集まりなどでの議決の際の議事録など)など、その変更にかかる必要な書類を添付する必要があります。

その後、所轄庁からの受理通知、審査、変更認証を経て「変更認証書・変更認証した規則の交付」を受け、所轄庁との認証申請手続きは終了しますが、規則変更が登記事項にかかる変更の場合は、その変更について、法務局での変更登記申請が必要となりますので、注意が必要です。 ※宗教法人の登記については、下記をご参照ください。

このように、規則変更に関しては、議事録の作成や、申請書の作成など、様々な段取りが必要です。登記に関する申請などは、行政書士ではできず、司法書士の業務になりますが、議事録の作成や、認証申請などのこと、規則の変更だけでなく、宗教法人業務のご疑問などがございましたら、何でもお気軽にご相談いただければと思います。

※宗教法人や株式会社、NPO法人などの登記は「法人登記」と言いますが、代表者の代表権限を公的に証明するものとしては、この法人登記の記載以外、ほぼ存在しないため、宗教法人で言えば、代表役員の変更があったときなど、登記事項に変更が生じた場合は、速やかな登記の変更が必要となります。宗教法人の法人登記には、

①目的
②名称
③事務所の所在地
④当該宗教法人を包括する宗教団体がある場合には、その名称および宗教法人非宗教法人の別
⑤基本財産がある場合、その総額
⑥代表権を有する者の氏名、住所および資格
⑦規則で境内建物もしくは境内地である不動産または財産目録に掲げる宝物
⑧規則で解散の事由を定めたときは、その事由
⑨公告の方法

が記載されます。宗教法人登記の記載事項に変更が出た場合は、2週間以内に変更の登記をしなければならなく、もし、変更登記を怠った場合は、代表役員に対し、10万円以下の過料が処せられますので、注意が必要です。先にも書きましたが、登記の変更があった場合などの登記にかかる申請は、司法書士の業務領域ですので、行政書士が行うことはできませんが、司法書士の方の紹介や、そういった方々と連携を取りながら、業務を進めることも可能と考えますので、ご疑問などございましたら、お気軽にご相談ください。