宗教法人あれこれ

宗教法人と持続化給付金について


新型コロナウイルスの影響を私たちの生活が受け始めて、もう半年以上が経過しました。しかし、まだまだ感染拡大の様子は、落ち着くどころか、勢いを増して、私たちに影響を与えていることのように思います。

それは、仕事の面、日本社会における経済の状況にも大きな影を落としている状況です。新型コロナウイルスによる影響で、多くの企業などが倒産に追いやられている、苦しい状況です。

大きな混乱が続く中、経済産業省より「持続化給付金」の支給が、中小法人や個人事業主者を対象に始まっております。金額としては、中小法人などは200万円、個人事業者などは100万円の支給となりますが、昨年1年間の売り上げに対する減少分が上限となっております。

申請には各種書類を用意する必要がありますが、さて、この持続化給付金の給付対象は、どのような方々なのでしょうか。

主な要件は「新型コロナウイルスの影響により、ひと月の売上が、前年同月比で50%以上減少している事業者」「2019年以前から事業による事業収入がり、今後も事業を継続する意思がある事業者」であること。
また、法人に関しては「資本金の額または出資の総額が10億円未満であるか、これらの定めがない場合は、常時使用する従業員の数が2000人以下である事業者」という要件が加えられます。他にも、2019年創業の事業者や売る上げが一定期間に偏在している方などに対しては特例が認められるケースもあるようです。

そして、宗教法人はこの「中小法人」の中に入っているのでしょうか。結論はノーです。今回の、この持続化給付金の対象に宗教法人は含まれないこととなっております。実際には、一度は給付対象となるよう議論が進んでいたようですが、最終的に対象外となった経緯があったようです。その中では、憲法の20条、89条の解釈について議論がなされたようです。日本国憲法の20条及び89条は以下の通りです。

第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

第20条については、社会の授業などでも習い、記憶に残っている方も多いと思いますが「政教分離」について示されていることですが、第89条はあまり目にされたことがない方も多いのではないでしょうか。税金などからなる国の財源は、宗教法人などには支出ができないことが、憲法において定められているところなのですが、この条文の解釈から憲法違反の可能性があることで、今回、この持続化給付金の給付対象外となったようです。

コロナ禍の中で、多くの宗教団体が苦しい思いをしていることと思います。施設維持が難しい状況に追いやられてしまう所も多いと思います。こういう時だからこそ、今一度、財政面や事業関連など、宗教団体、施設の在り方を見つめ直すことが必要なのだと感じますし、私自身、そのような面で、そのような方々のお手伝いができるよう精進しなければと、改めて感じるところです。